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Stratocaster [音楽]

 こんにちは usk です。冬になると空気が澄んで遠くまで見渡せるようになりますね。わが千葉県は東京湾沿いに京葉工業地域がどどーんとありますが、まだまだ田舎ですので、星空などきれいです。いつか星空の写真を撮ってお見せしたいと思います。ちなみに京葉工業地域は 京浜工業地帯 とは異なります。字の通りこちらは東京から横浜までの東京湾西岸、京浜運河に広がる埋め立て工業地帯を指します。小学校の社会で習いましたね。
 空気が澄んでいると私の通勤ルートから富士山が見えます。それはもうくっきりと。2008年の9月に登頂しましたが、結構きついですね、素人には。そして極めて汚い。外国人には見せられないと思いました。世界遺産に登録されないのは無理もありません。

 さて、前フリはこのくらいにしておいて、今回はエリック・クラプトンの稿でも登場した、米フェンダー(Fender)社の誇る名ギター、ストラトキャスター(Stratocaster)についてのお話です。デビューと同時に完成されていた、ギター・オブ・ギターです。皆さんも一度は目にしたことがあるはずです。世界中のメーカーがこぞって模倣したお手本ギターでもあります。私欲しいです。どなたかギブ・ミー・プリーズ。これがストラトキャスターです。
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 かっこいいですね。文句なしです。ストラトキャスターの概要・特徴について簡単にご説明いたします。フェンダー(Fender)社の社長レオ・フェンダー(Clarence Leonidas Fender, 1909年8月10日 - 1991年3月21日)や技師フレディ・タバレスによって開発され、1954年に発表・発売されたエレクトリックギターです。ギブソン(Gibson)社のレス・ポール(Les Paul)等と並び、エレクトリックギターの代表的な存在です。ストラトキャスターを使うミュージシャンはたくさんいますが、著名なところですと、エリック・クラプトン(Eric Clapton)、リッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore,Deep Purple)、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix,The Jimi Hendrix Experience)、エリック・ジョンソン(Eric Johnson)、ジェフ・ベック(Jeff Beck)、イングヴェイ・マルムスティーン(Lars Johan Yngve Malmsten) …あうぅ、書ききれません。悪いクセでとめどなく書くところでした。このへんにしておきます。
 この中でレオ・フェンダーを怒らせた人がいます。誰でしょう。各人の演奏法をご覧になったことのある方でしたら、おわかりになるかもしれません。正解は、ジミ・ヘンドリックスです。レオ・フェンダーがジミヘンの曲を聴いたとき、「トレモロはああやって使うものではない!」と激怒したそうです。血のにじむような努力で開発した革命的トレモロ・ユニットが意図しない使われ方をしたのです。無理もありません。確かに曲によっては、お下品で Cool なアーミングを聴くことができます。ワイト島(The Isle of Wight)でのライヴ映像などをみると、それはもうウィンウィン、ビヨヨォーンです。

 トレモロとはギターの音色をビブラートさせる装置で、ストラトキャスターの革新的なシンクロナイズド・トレモロ・ユニットと名づけられたブリッジ(弦の付け根)部分のパーツです。ブリッジに取り付けられているトレモロ・アームと呼ばれる棒を、ボディに向かって押す、もしくは引く操作をすることでビブラート効果が得られるものです。ブリッジにはスプリングがついており、弦の張力と拮抗してブリッジの位置を維持していますが、トレモロアームの操作でそのバランスが変わり、弦が張られたり、緩められたりしてウヨヨヨォーンと音が震えるわけです。シンクロナイズド・トレモロの場合、トレモロアームはねじ込み式になっており、簡単に取り外すことができます。使わない人は最初から外しています。ジェフ・ベックは、アームは外しているときでも、手のひらで細かくブリッジを叩いてビブラートさせるちょっと変わった奏法を使います。
 同じようなビブラート・ユニットはすでにビグスビー(Bigsby)社などによって開発されていましたが、ストラトキャスターに搭載されたシンクロナイズド・トレモロは、構造の単純さ、音程の可変幅の大きさ、チューニングの狂いの少なさなどで群を抜いていました。初期モデルはブリッジに手が当たらないよう、金属製のブリッジカバーを装備していたましたが、現行モデルでは省略されています。

 音については、これまた特徴的です。三つあるシングル・コイル・ピックアップ(single coil pickup)(*1)は同じ部品を使っていても、取り付け位置の違いにより取り出される音質は大きく異なります。ブリッジ(リア)側は高域が強調され、ネック(フロント)側は逆に高域の成分が少ない「甘い音」になります。ピックアップ・セレクター・スイッチをリア・ミドルあるいはミドル・フロントの中間で止めて音をミックスさせる、いわゆるハーフトーンも使用できるため、サウンドのバリエーションが広いのです。リッチー・ブラックモアなどは、演奏中に頻繁にピックアップを切り替えます。バッキング(*2)はリア、ソロはフロント、といった感じです。下の写真がシングル・コイル・ピックアップです。
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 ギブソン社のレス・ポールモデルに搭載されているダブル・コイルハムバッカーピックアップ(humbucker pickup)と比べるとシングルコイルピックアップは出力が弱く帯域の広いサウンドが特色ですが、大音量のアンプや、歪みエフェクターとの組み合わせにより、ディストーションサウンドを得ることもできます。ディストーションサウンドが不可欠なハードロックに用いるギタリストも数多く存在します。ちなみに、最初にギターの音をわざと歪ませたのは、エリック・クラプトンです。下の写真はレス・ポールです。こちらもかっこいいですねぇ。私も1本所有しております。その下はハムバッキング・ピックアップです。レス・ポールの画像では金属プレートで覆われていますが、それを外すと写真のものが入っています。
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 ストラトキャスターの中でも古い個体は ヴィンテージ と呼ばれ、中古市場において高価格で取引されています。ヴィンテージ市場は1980年代末から一貫して高騰基調にあるそうで、現在ではフェンダー社がCBS社に買収される以前、1954年から1965年前期までのモデル(Pre-CBSと呼ばれる)が状態によっては数百万円、又はそれ以上の価格で取引されることもあります。またフェンダー・ジャパンの最初期モデルは ジャパン・ヴィンテージ と呼ばれ、日本独自の中古市場が形成されています。あくまでジャパンです。私の中ではフェンダーではありません。例えるなら、レース用車両のブレーキキャリパーで有名な ブレンボ(brembo) のキャリパー、これを国内メーカーがライセンス生産しています。たとえばヤマハのモーターサイクル用などです。これはブレンボでなく、ヤマンボ(yamambo) と呼ばれています。

 蛇足はこれくらいにしまして、ストラトキャスターデビュー年である1954年製のシリアルナンバー#0001のストラトキャスターは、ピンク・フロイド(Pink Floyd) のデヴィッド・ギルモア(David Gilmour) が 1970年代から現在まで所有しています。2004年にイギリスで行われたストラトキャスターの50周年記念のライヴの際も使用されました。但し、このギターはあくまでもネック・ジョイントプレートにシリアルナンバーが記載されている物としての1号機であり、これ以前に、ボディ裏面にあるスプリングカバー(バックプレート)にシリアルナンバーが記載されている物を含め250台程度存在するので、正真正銘の第1号機ではありません。なお、このネックシリアル1号機は、ブロンドカラー、ゴールドパーツの特注品です。趣味が悪いですねぇ。因みに、正真正銘の第1号(バックプレートシリアル0001)機については、一時北米のコレクターが所有していると言う噂が飛び交ったがデマと判明し、現在に至るまで発見されていません。

 ウンチクはもううんざりですね。私もウンザリです。要は、カッコいいエレキということです。エレキですよ、エレキ。冒頭ではエレクトリックギターと書きましたが、そう書くとシラけます。エレキが最高にごきげんな感じです。どうです?楽器というと敷居が高いようにお感じかもしれませんが、心のどこかでやってみたいと思っておられるのではないでしょうか。楽器をやるようになると、音楽を楽器パートごとに分解して聞くようになります。私もそうでした。様々な視点(聴点?)で捉えることができるようになります。これは間違いなく利点です。ぜひ挑戦してみてください。おっと、忘れるところでした。ストラトキャスターの美しい音をお聞かせしたいと思っていたんです。これはエリック・ジョンソンの名曲 遥かなるドーヴァー(Cliffs of Dover) です。エリック・ジョンソンは音に対して尋常ではないこだわりをもつギタリストです。綺麗な曲を聴かせてくれますが、アルバムリリースのスパンが長いため、なかなか新曲を聴くことができません。


 ギターの場合、ふつうはコードから覚えます。C や A といった簡単なコードから始まって、そのうち F と出くわします。これが最初の難関です。私の周りの方で「ギター教えて!」とおっしゃる方がいまして、全力で教えて差し上げていたのですが、結局Fが押さえられるようにならず、やめてしまう方がいました。これを私は Fシンドローム(syndrome) と呼んでいます。
 闘志がわいてきましたか?それとも、うんすんですか?興味を持ったならやってみましょう。人生は有限です。明日死ぬつもりで頑張り、永久に勉強するつもりで生きないと損です。偉そうにすみません、恐縮です。これは誰かの言葉なんです。誰でしたか…ガンジーだったか、ダライ・ラマだったか…どなたかわかる方教えてください。
いま弾かずに、いつ弾きますか。


(*1) シングル・コイル・ピックアップ:ギターの弦の振動を拾う装置。コイルが1つなのでこう呼ばれる。ピックアップが作る磁界の中を磁性体(弦)が動くと、その動きに合わせてコイルの巻き線に電圧が発生し、電流が流れる(フレミングの左手の法則)。
(*2) バッキング:曲の伴奏のこと。ギターやピアノなど、和音が出せる楽器がバッキングに使われる。金管楽器、木管楽器はもっぱらソロパートを任される。

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にゃろ

知りたい情報がここでやっとわかりました!ありがとうございます!
by にゃろ (2015-03-16 23:03) 

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