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メンデルスゾーン [音楽]

 こんにちは usk です。気がつけばもう年末ですね。時が経つのは早いです。こないだ2009年になったと思ったらもう2010年です。正月ほど退屈なものはないと思っている私ですが、唯一楽しみにしているものがあります。それはお雑煮です。お餅っておいしいですよね。ああいうものを考えるなんて、つくづく日本人は素晴らしいと思います。冷静に平等にみて、世界中で日本の文化ほど優れたものはありません。断言します。

 さて、今回は フェリックス・メンデルスゾーン(Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy) について書こうと思います。クラシック音楽と総称されている分野の中で、私の一番好きな作曲家/指揮者です。こんなお顔をしてらしたそうな。頭がよさそうです。
Felix_Mendelssohn.jpg

 ここで「ん?」と思った方いらっしゃいますね。フェリックス・メンデルスゾーンは指揮者でもあったのです。私も初めは知りませんでしたが、指揮者もやっていたんですね。私が彼に興味をもったきっかけは、名前のかっこよさです…。なんと恥ずかしい動機でしょう。ミーハーですね。どんな曲を作ったのかと調べつつCDを買ってみると、絶対にみんな知っているあの曲もこの曲も、彼の作品だったんですね。たとえばこれ。聞いたことあるでしょう?サーバー容量の関係で、途中で切ってあります。またサンプリングも荒くしています。本当に聴きたい方はCD・LPの購入をお薦めいたします。


 この曲は ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64(Violin concerto in E minor, op64) と言いまして、メンデルスゾーンの曲の中で私のい~っちばん好きな曲です。どうも私はマイナースケールの曲が好きなようです。この曲、バイオリンとオーケストラの対話のように聞こえませんか?新鮮です。斬新です。彼の曲は軽やかでとても聴きやすいですが、同時に(表現が難しいですが)奥行きを感じます。無理やり一言で表してみましたが、語彙不足の私には言葉で明確に表すことなどできません。己のおつむてんてん具合がはずかしい…。
 また、もう1曲これも有名な 結婚行進曲 は、1843年にシェイクスピア(William Shakespeare)の戯曲 真夏の夜の夢 (Ein Sommernachtstraum)のために作曲した舞台音楽の一部です。あの曲ですよ、あの曲。パパパパーン♪ のやつ。元々は、フェリックスが17歳の時(1826年)に作曲した 夏の夜の夢 序曲 ホ短調 作品21でしたが、後にこの序曲を聞いて感銘を受けたプロイセン王の勅命を受け、更に磨きをかけた劇付随音楽として生まれ変わることになりました。ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner)作曲 婚礼の合唱 とならんで、結婚式(をイメージさせる場面)での定番ですね。

 フェリックス・メンデルスゾーンは1809年2月3日、ドイツ-ハンブルクにて富裕な銀行家の息子として生まれます。祖父は、あのカント(Immanuel Kant)にも影響を与えた有名なユダヤ人の哲学者でありました。メンデルスゾーン家は1812年以降ベルリンに居を構えますが、フェリックスも含めてユダヤ人としていわれなき迫害を受けることが多かったそうです。ユダヤ教には選民思想(自らを神に選ばれし民族とした)があり、ドイツ人はゲルマン民族が最高だと刷り込まれていましたから。また、ユダヤ人には当時キリスト教で禁止されていた金融業についている者が多く、金銭面において比較的豊かな人が多かったので、こういうのも迫害を受ける一因だったのでしょうか。このままではドイツはユダヤ人に乗っ取られてしまうという演説がされたり、ユダヤ人がペストを流行らせたと流布されたり。なんてつまらないのでしょう。不条理に迫害を受けた人々はほんとうに気の毒ですが、私はさらに、つまらない理由で迫害した側の生物たちの、その貧相な発想が気の毒でなりません。
 さて、このような状況にも関わらず彼の業績・影響力は極めて強く、終生ドイツ音楽界の重鎮として君臨し続けました。そしてフェリックスは、文豪ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)、シューマン(Robert Alexander Schumann)とも、親友、良き理解者の間柄だったそうです。すごい交友関係ですね。
 フェリックスは1847年11月4日、かねてから体調が思わしくなく、くも膜下出血と思われる症状で急逝してしまいました。最期の言葉は「疲れたよ、ひどく疲れた」(Ich bin müde, schrecklich müde.)だったそうです。見舞いに来た友人たちの問いかけには「大丈夫だよ」と答えていましたが、奥様の「お加減はどうですか」の問いに対して前述のように述べたということです。この奥様、とってもめんこい方だったそうですよ。当時写真があったら今見ることができたのに、残念です。彼女はフェリックス逝去の後、結核で亡くなったそうです。

 フェリックスの曲はどれも素晴らしく感動的ですが、作曲以外にも大きな功績を残しています。まず、それまで独立していなかった指揮者という職務を独立させ、自らも指揮者として率先して範を示し、弟子たちに指揮法を教え、現在にまで至る指揮法を確立した創始者であるという点です。
 また、その当時すでに忘れ去られていたバッハ(Johann Sebastian Bach)の楽譜を自ら発掘してその価値を見抜き、同様に演奏困難などの理由で早くも忘れられつつあったベートーベン(Ludwig van Beethoven)の パイプオルガン(pipe organ) やピアノのために書かれた作品をこよなく愛し、彼らの作品を好んで積極的にオーケストラの曲目として取り上げ続け、貴族にも大衆にもバッハやベートーベンの価値を広く知らしめた点が挙げられます。すばらしいことですね。パイプオルガンはご存じでしょうか。オルガンは演奏形態上の分類では鍵盤楽器の一種であるものの、発音原理上においては気鳴楽器であり、その他の鍵盤をもつ楽器であるチェンバロやピアノ(弦鳴楽器)とは原理的に異なります。多数のパイプを発音体として備えていますが、1本のパイプで異なる音を発生させることはなく、各パイプの音は固定的です。鍵盤を押すことで異なるパイプに空気を流して音を出します。これがパイプオルガンです。で、でけぇ!
pipe organ.JPG

 フェリックスの功績の話を続けますと、自らがオルガニスト、ピアニストあるいはコンダクター(Conductor,指揮者)となり、それまで古い楽曲を演奏する習慣のなかった音楽界に、古くても価値ある作品を敬意を払って演奏するというスタイルを確立し、ピアニストやオーケストラの演奏活動を大いに盛んにしたことも、フェリックスの大きな功績と言えます。おわかりでしょうか。オーケストラの演奏を聴きに行くと、体中を爽やかな風が駆け抜けるような爽快感を味わうことができますね。庶民も楽しめる「敷居が高そうな音楽」を確立したのです。私たちは彼の恩恵にあずかっているのです。感謝してもしきれません。
いま聴かずに、いつ聴きますか。

今年(2009年)は、フェリックス・メンデルスゾーンの生誕200周年です。
Herzlichen Glückwunsch zum Geburtstag, Felix!

  ※ "ウムラウト" が正しく表示されていますでしょうか…心配です。


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