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被写界深度 [カメラ]

 こんにちは usk です。もうじき師走ですね。みなさんも忙しくなるのでしょうか。私は12月前半はかなり忙しくなりそうです。忙しい時期を乗り切ったら気の合う仲間たちと海外逃亡を企てています。逃亡中なにか面白いことがあったら、ここでアップしようと思います。

 さて、今回はカメラネタで行こうと思います。カメラネタはしばらくの間、いろいろなキーワードについて的を絞った内容にしようと思います。これから始めようという方にはまず座学で知識を習得して頂こうというのが趣旨です。すでにいくつかネタを用意してあるのですが、中にはよくわからない内容があるかもしれません。しかしそれも興味をお持ちならば障害にはならないでしょう。好きこそものの上手なれです。何度も何度も読み返してくださいね。

 本日のテーマは「被写界深度(Depth of field)」です。おっ、はてなマークが出ましたか?そのくらい知ってるよという声も聞こえてきますね。まぁまぁそう言わずにお付き合いください。概要から理屈まで、(私の知る範囲で)しっかりとご説明いたします。理屈は大切です。この世で起こっているすべての現象には理屈があり、本質を知りたいなら理屈を知らなければならないからです。

 被写界深度 という文字列を見て、単語の意味は大体想像つきますよね。被写体の周りの空間のことを何やら言っているようだと。被写界深度とは、写真のピントが合っているように見える領域のことです。写真用レンズでは、厳密に言うとピントが合っている場所は、一つの平面上にしか存在しません。レンズのフォーカスリングを無限大からまわしてみればわかります。ある1点でピントが合い、またボケていきます。被写体の前後直近しかピントが合っているように見えないとき、被写界深度が浅いといいます。逆に、手前から奥まで合っているように見えるとき、被写界深度が深い、もしくはパンフォーカスといいます。被写体深度焦点深度 という言葉が同義に使われることがありますが、全く違うことを指していますので皆さんは間違えないようにしてください。

 では、ピントが合っているということは、どういうことだと思いますか?めんどくさく言うと、点を被写体としたとき、その点から放たれた光が、フィルム面においてもただ一点にのみ集中するということです。点を撮影したら、点として写るということです。しかし実際のレンズでは、もろもろの収差(*1)(≒小さな不都合と解釈してください)のためそうはなりません。実用上は仮想的な点光源からの光がフィルム面上でもっとも強く収束するような条件をもって、ピントが合っているといいます。ピントが合っている状態から、被写体を前後に動かすとフィルム面上での像はよりぼやけることとなります。これは前述のフォーカスリングを回す話の通りです。
 このとき絞り(*2)の形状が円形であるならば点光源からの光がフィルム面上ではある円形の範囲に散らばります。想像できますね。このように、ピントが合っていてもいなくても点光源からの光がフィルム面上で結ぶ像は円形となり、この円のことを錯乱円と呼びます。こんな言葉を口にしている人を私は見たことがありませんが、知識として頭の片隅にでもおっぽっといてください。錯乱円の大きさはレンズの焦点距離と絞り値に依存し、被写体の距離がピントが合っている場所から離れれば離れるほど大きくなります。

 一般に被写界深度はレンズの焦点距離、絞り、etc...に依存します。具体的に計算することができますが、面倒ですし、そんなもの計算している撮影者はいませんので割愛します。これらの関係は次のようになります。

  被写界深度・焦点距離・絞り の関係
    1. 被写界深度はレンズの 焦点距離が短い (広角)ほど 深く なり、
    2. 絞りを 絞り込む (F値が大きい)ほど 深く なる。

 この性質を利用して、トイカメラレンズつきフィルム などの多くは、ピント合わせのための機構を省略したパンフォーカスの設定で使用できるのです。絞ってあるんですね。そして光量不足を補うために、高感度フィルム(*3)を使用しています。

 しかし、絞り値をあまり大きくすることにも問題があります。ある程度以上絞り込んだ場合、絞りによる 光の回折現象 によっていわゆる 小絞りボケ と呼ばれる現象が発生してしまいます。画像の鮮明さが失われてしまうのです。小サイズフォーマットほどこの傾向は顕著となり、デジタル・フィルムの両方で発生します。大きく引き伸ばした際は顕著に表れてしまうので、ちょっと気になってしまいます。

 また、被写界深度はフィルムフォーマットの影響も受てしまいます。同じ画角で撮影しようとしたとき、焦点距離はフィルムサイズに比例するためです。具体的には、35mmサイズフォーマットに焦点距離50mmのレンズで撮像した写真は、24mm(APSサイズ)フォーマットのカメラで再現しようとすると、焦点距離33mm程度のレンズを使用しなければなりません。そして、同じ画角同じ距離同じ絞り値で撮影したときの焦点深度はフィルムサイズが小さいほど深くなることになります。上述の「被写界深度・焦点距離・絞り の関係」の 1. です。デジタルカメラなど、既存の35ミリフィルムサイズよりも小さな撮像素子を使っていることが多い(フルサイズ機を除く)ので被写界深度が深くなり、ボケを生かした撮影などには不向きであるといわれています。スナップは別として、写真を楽しみたいなら、小サイズフォーマットでなく35mmサイズを使えということでしょうかね。ちなみに、35mm判を最初に作ったのは LEITZ社 です。LEICA のカメラでおなじみですね。現在は LEICA社 ですが、かつては LEITZ という社名でした。LEITZ の CAMERA で LEICA というシリーズ名だったんです。

 ここで、いい資料を貼っておきます。以前どこかから落としてきたのですが、どこからだっかた失念しました。これは絞りの効果を模式的に表したもので、概念が大変わかりやすいです。うだうだと長く書いてしまいましたが、この資料だけでよかったかも…。
深度.jpg

一番上の絵。
これは絞り開放のときの図です。左に被写体(上向きの矢印)があります。中央の楕円がレンズと絞りが合体したものとお考えください。絞りを通った光が、右側のあるところで結像しています。光線の束が急激に収束していますね。結像しているところからちょっと前(後)はもう光線の束がばらけています。これがぼやけている状態です。ある一か所でしかピントが合っているように見えないため、被写界深度浅いということになります。

中段の絵。
これは最大絞りの時の図です。位置関係は上と同じです。この場合は結像している点の前後でも、光線の束が収束しています。ですので、結像した前後でもピントが合っているように見えます(あくまでそう見える)。ですので被写界深度が深い(広い)ということになります。

一番下の絵。
これは。原始的な写真機の図ですね。今回はこちらの説明は割愛します。


 写真はその瞬間を切り取る装置です。どう切り取るかは撮影者に委ねられますが、同じものを撮るにも色々な撮り方があり、結果色々な写真ができあがります。人物を引き立たせよう、そのためには絞りを開けて被写界深度を浅くしよう、光が多く入るからその分シャッタースピードを速くしよう、あっ!シャッタースピードが足りない!!仕方ない、もう一段絞るか…。ということを頭の中でゴニョゴニョ考えながら撮るわけです。あぁ楽しい。ここで "シャッタースピードが足りない!" ということが判明するためには、適正な露出(≒絞りとシャッタースピードの関係)を知っていることが前提になります。この明るさでは、この絞りでこのシャッタースピードだという結論を知っているという意味です。ではそれをどうやって知るのか。それはまた次回。

内容に間違いがあったら教えてくださいね。恥ずかしいのでシレーっと直します…


(*1)収差(しゅうさ):像ができるときに発生する色づきの不自然さや、ボケ、ゆがみのこと。このボケやゆがみは、物体の点が点像にならないことを意味する。
(*2)絞り:レンズ内部の外周から羽状の板が出てきて、連続的にかつ円形に光路を絞る機構。
(*3)高感度フィルム:フィルムがどれだけ光を感じやすいかの指標であるISO(旧ASA)値が高いフィルム。一般的に感度が高いと画質が粗くなる。
タグ:被写界深度

メンデルスゾーン [音楽]

 こんにちは usk です。気がつけばもう年末ですね。時が経つのは早いです。こないだ2009年になったと思ったらもう2010年です。正月ほど退屈なものはないと思っている私ですが、唯一楽しみにしているものがあります。それはお雑煮です。お餅っておいしいですよね。ああいうものを考えるなんて、つくづく日本人は素晴らしいと思います。冷静に平等にみて、世界中で日本の文化ほど優れたものはありません。断言します。

 さて、今回は フェリックス・メンデルスゾーン(Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy) について書こうと思います。クラシック音楽と総称されている分野の中で、私の一番好きな作曲家/指揮者です。こんなお顔をしてらしたそうな。頭がよさそうです。
Felix_Mendelssohn.jpg

 ここで「ん?」と思った方いらっしゃいますね。フェリックス・メンデルスゾーンは指揮者でもあったのです。私も初めは知りませんでしたが、指揮者もやっていたんですね。私が彼に興味をもったきっかけは、名前のかっこよさです…。なんと恥ずかしい動機でしょう。ミーハーですね。どんな曲を作ったのかと調べつつCDを買ってみると、絶対にみんな知っているあの曲もこの曲も、彼の作品だったんですね。たとえばこれ。聞いたことあるでしょう?サーバー容量の関係で、途中で切ってあります。またサンプリングも荒くしています。本当に聴きたい方はCD・LPの購入をお薦めいたします。


 この曲は ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64(Violin concerto in E minor, op64) と言いまして、メンデルスゾーンの曲の中で私のい~っちばん好きな曲です。どうも私はマイナースケールの曲が好きなようです。この曲、バイオリンとオーケストラの対話のように聞こえませんか?新鮮です。斬新です。彼の曲は軽やかでとても聴きやすいですが、同時に(表現が難しいですが)奥行きを感じます。無理やり一言で表してみましたが、語彙不足の私には言葉で明確に表すことなどできません。己のおつむてんてん具合がはずかしい…。
 また、もう1曲これも有名な 結婚行進曲 は、1843年にシェイクスピア(William Shakespeare)の戯曲 真夏の夜の夢 (Ein Sommernachtstraum)のために作曲した舞台音楽の一部です。あの曲ですよ、あの曲。パパパパーン♪ のやつ。元々は、フェリックスが17歳の時(1826年)に作曲した 夏の夜の夢 序曲 ホ短調 作品21でしたが、後にこの序曲を聞いて感銘を受けたプロイセン王の勅命を受け、更に磨きをかけた劇付随音楽として生まれ変わることになりました。ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner)作曲 婚礼の合唱 とならんで、結婚式(をイメージさせる場面)での定番ですね。

 フェリックス・メンデルスゾーンは1809年2月3日、ドイツ-ハンブルクにて富裕な銀行家の息子として生まれます。祖父は、あのカント(Immanuel Kant)にも影響を与えた有名なユダヤ人の哲学者でありました。メンデルスゾーン家は1812年以降ベルリンに居を構えますが、フェリックスも含めてユダヤ人としていわれなき迫害を受けることが多かったそうです。ユダヤ教には選民思想(自らを神に選ばれし民族とした)があり、ドイツ人はゲルマン民族が最高だと刷り込まれていましたから。また、ユダヤ人には当時キリスト教で禁止されていた金融業についている者が多く、金銭面において比較的豊かな人が多かったので、こういうのも迫害を受ける一因だったのでしょうか。このままではドイツはユダヤ人に乗っ取られてしまうという演説がされたり、ユダヤ人がペストを流行らせたと流布されたり。なんてつまらないのでしょう。不条理に迫害を受けた人々はほんとうに気の毒ですが、私はさらに、つまらない理由で迫害した側の生物たちの、その貧相な発想が気の毒でなりません。
 さて、このような状況にも関わらず彼の業績・影響力は極めて強く、終生ドイツ音楽界の重鎮として君臨し続けました。そしてフェリックスは、文豪ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)、シューマン(Robert Alexander Schumann)とも、親友、良き理解者の間柄だったそうです。すごい交友関係ですね。
 フェリックスは1847年11月4日、かねてから体調が思わしくなく、くも膜下出血と思われる症状で急逝してしまいました。最期の言葉は「疲れたよ、ひどく疲れた」(Ich bin müde, schrecklich müde.)だったそうです。見舞いに来た友人たちの問いかけには「大丈夫だよ」と答えていましたが、奥様の「お加減はどうですか」の問いに対して前述のように述べたということです。この奥様、とってもめんこい方だったそうですよ。当時写真があったら今見ることができたのに、残念です。彼女はフェリックス逝去の後、結核で亡くなったそうです。

 フェリックスの曲はどれも素晴らしく感動的ですが、作曲以外にも大きな功績を残しています。まず、それまで独立していなかった指揮者という職務を独立させ、自らも指揮者として率先して範を示し、弟子たちに指揮法を教え、現在にまで至る指揮法を確立した創始者であるという点です。
 また、その当時すでに忘れ去られていたバッハ(Johann Sebastian Bach)の楽譜を自ら発掘してその価値を見抜き、同様に演奏困難などの理由で早くも忘れられつつあったベートーベン(Ludwig van Beethoven)の パイプオルガン(pipe organ) やピアノのために書かれた作品をこよなく愛し、彼らの作品を好んで積極的にオーケストラの曲目として取り上げ続け、貴族にも大衆にもバッハやベートーベンの価値を広く知らしめた点が挙げられます。すばらしいことですね。パイプオルガンはご存じでしょうか。オルガンは演奏形態上の分類では鍵盤楽器の一種であるものの、発音原理上においては気鳴楽器であり、その他の鍵盤をもつ楽器であるチェンバロやピアノ(弦鳴楽器)とは原理的に異なります。多数のパイプを発音体として備えていますが、1本のパイプで異なる音を発生させることはなく、各パイプの音は固定的です。鍵盤を押すことで異なるパイプに空気を流して音を出します。これがパイプオルガンです。で、でけぇ!
pipe organ.JPG

 フェリックスの功績の話を続けますと、自らがオルガニスト、ピアニストあるいはコンダクター(Conductor,指揮者)となり、それまで古い楽曲を演奏する習慣のなかった音楽界に、古くても価値ある作品を敬意を払って演奏するというスタイルを確立し、ピアニストやオーケストラの演奏活動を大いに盛んにしたことも、フェリックスの大きな功績と言えます。おわかりでしょうか。オーケストラの演奏を聴きに行くと、体中を爽やかな風が駆け抜けるような爽快感を味わうことができますね。庶民も楽しめる「敷居が高そうな音楽」を確立したのです。私たちは彼の恩恵にあずかっているのです。感謝してもしきれません。
いま聴かずに、いつ聴きますか。

今年(2009年)は、フェリックス・メンデルスゾーンの生誕200周年です。
Herzlichen Glückwunsch zum Geburtstag, Felix!

  ※ "ウムラウト" が正しく表示されていますでしょうか…心配です。


Nikon D90 [カメラ]

 こんにちは usk です。今回はつい先日私のもとへやってきた相棒 Nikon D90 について書こうと思います。と言っても、まだ大して仕事をしてもらってはいませんので、あまり書くこともないのですが…購入を考えている方の参考になればと思います。私は、自分の買った物をほめちぎるような真似はしません。感じたことをそのまま書かせて頂きますね。そうそう、この D90 は動画が撮れるんですが、先日投稿した エイリアン 2 の記事の中の動画は、D90 で撮りました。
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 こいつが D90 です。最近の Nikon のデザインを踏襲していますね。ついているレンズは18~200mmのレンズキットのズームです。このレンズだけでも定価10万円程度でして、それがレンズキットになると…とっても格安なんです。気になるレンズがキットになっていれば、キットを買いましょう。でも、ズームって暗くて仕方ないですね。暗さには閉口です。

 私、カメラは 一眼レフカメラ(Single-lens reflex camera ,SLR) でないと撮りたい写真が撮れないので、コンパクトは嫌いです。でも、メモ感覚で取るには便利ですので、所有してはいますが。しかも、銀塩とデジタルでは、プリントしたときの出来が雲泥の差なので、デジタルは嫌いです。でも、銀塩はたとえばブログに載せたりするのにも手間がかかるので、デジタル一眼も持っています。適材適所ですね。今回新たに D90 を追加したわけですが、実はその上位機種の D300s というのが欲しかったんです。しかし先立つものに先立たれている私は、ためらってしまいました。そもそも、D300s 以下の機種は撮像素子がAPSサイズ(24mm)と小さく、銀塩35mm版と同等の撮像素子をもつ機種は、私の収入ではとうてい買えない金額。APSサイズはおもちゃと思っている私なので、高級なおもちゃ買ってもなぁ…、と考えてこいつにしたわけです。D90 よすまん、動機が不純です。といいつつも到着を待ち望んでいた私でして。
 抑えられないワクワクを抑えながら、慎重に開梱します。そして、愕然としました。手に取ってみるとなんとボディーが樹脂なんですねぇ。知ってはいましたが、ガッカリです。塗装に力を入れていますが、触ったときに冷たくないので、プラスチック感満点です。D300s はマグネシウムボディー…うらやましい。金属ボディーになったからって、いい写真が撮れるわけではありませんよ。モノとしての所有欲を満たすかどうかの話です。モノとしての所有欲を満たしたい方は迷ってはいけません。D300s 以上を購入してください。私はこの点においてのみ、失敗しました。それ以外は使いやすい良いカメラだと思います。画質の観点から言うと、D300s に遜色ないでしょう。スペック上の話ですが。

 メーカーは Nikon 以外は考えていませんでした。選択肢にも入っていません。これはこれから先も変わらないでしょう。理由は、Nikon のレンズマウントは、初代一眼レフの Nikon F 以降変わっていないということが一番です。オートフォーカスや手ぶれ補正などの機能は追加されど、物理的なマウント形状は頑固一徹、変えていません。これが何を意味するかおわかりになりますでしょうか。最新のデジタル一眼に、古~~~いマニュアルフォーカスのレンズが着くんです。そして使えるんです。逆も然り。これはユーザーにとってはうれしいことなんですよ。相棒(レンズ)はずっと相棒なんです。
 ところが、国内シェアの双璧をなす、Nikon でないもう片方のメーカーさんはというと…書くのもイヤですが、レンズマウントが変わるんですよ。ころころ変わるわけではないですが、昔の相棒は今の相棒にはなれないんです。これはいけません。Nikon と PENTAX はその点すばらしいですね。
 先日なにかで読んだのですが、国内一眼レフカメラシェアトップ2のうち、年配の方は Nikon を、若年層はもう1社の方の所有傾向があるそうです。はい、余談です。くだらないですね。気に入ったものを買いましょう。

 先にも述べましたが、D90 は動画が撮れます。Nikon は Dムービー と言ってますね。動画なんていらないよ!と思っていましたが、ちょっとまってください。私は、Dムービー で一眼レフのうま味(超広角、絞りによるボケ、被写界深度)をふんだんに活用した面白い動画が撮れることに気付きました。そこで、前述のように中嶋の動画を撮ってみようと考えたわけです。少し編集しましたので、とてもきれいな動画とは言えませんが、また今度撮ってみますので、Dムービー 本領発揮は少々お待ちください。また、使い込んだ感想と撮影画像も近々アップしますので、そちらもお楽しみに。
 一眼レフ、使いたくなりましたね。今こそ一眼レフに目覚めるときです。今一眼使わずに、いつ使いますか。

エイリアン 2 [番外]

 こんにちは usk です。本日は皆様に中嶋の動画をご覧頂こうと思い、投稿します。中嶋はエイリアンの稿でご紹介した、我が家に住み着いてしまった猫ちゃんのことです。幼少のころからワンちゃんはいつも家にいましたので大抵のことはわかるのですが、猫ちゃんとなると全く勝手がわかりません。あの度を越した気まぐれさといい、きっつい目つきといい、人の車のボンネットに上ってスルスル~っと滑り落ちそうになり、爪を立ててギギギーッ!と縦線を描いてくれるところといい、全く好きになる要素を見いだせないでいました。しかし、中嶋が家にくるようになって、なんとこの私がカワイイ!と思うようになったのです。食わず嫌いだったのでしょうか。
 中嶋というネーミングの由来は、中嶋悟 氏です。ご存じ、日本人で初めてF-1にシーズンフル参戦した方です。私は中嶋氏がデビューした1987年から…おっと、またまた悪い癖が出てしまいました。中嶋悟 について熱く語ってしまうところでした。中嶋氏については、機会を改めて書かせていただくことにします。書きたくてウズウズしています。

 さて、中嶋(猫ちゃん)の動画の前に、猫とまたたびの関係について観察したので、報告いたします。猫を飼ったことは今まで一度もない私ですが、猫ちゃんはまたたびが大好きということは、どこからともなく仕入れた情報で知っていました。大好きといっても、私がラーメンやパスタが大好きなのと同じだろ?と思っていましたが、それが大きな間違いであることを中嶋(猫ちゃん)が教えてくれました。
 先日、家の中のものを得意の爪ガリガリされないように、爪みがきを献上しました。爪みがきのケースの中には袋に入った「またたびパウダー」なるものが同梱されており、説明書きを読むと、どうやら爪みがきにまぶして使用するということです。早速、まぶしました。すると、中嶋(猫ちゃん)がスス~っと寄ってきて、爪みがきに顔をこすりつけこの世のものとは思えない有様を露呈したのです!その様子は筆舌に尽くしがたく、動画を見ていただく他お伝えすることが難しいのですが、簡単に言うと、エクスタシー!!!!!ですね、アレは。ヨダレべちゃべちゃです。そんなに好きか?何がどうイイんだ?中嶋は一向に答えてくれません。私なんぞ、シカトです。
 実は、この動画は2回目のまたたびです。慣れてしまったのか、期待したほどのアクロバットは見せてくれませんでした。それでは、その様子をご覧いただきましょう。

  Oh! Couldn't be better. I can't imagine me without Matatabi!

 どうでした?猫ちゃんを飼っている、または飼っていた方には常識だと思いますが、いやいや猫初心者の私には衝(笑)撃でした。いきなりクネクネしはじめて何がどうなったのかわからず、恐怖に似た感情を覚えたほどです。

 気が済んだ後の表情です。やったな、中嶋!でもウィンクすんな!
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 今日の中嶋の晩御飯は、なんとレトルトのキャットフードです。贅沢ですね。けしからんです。これは 日清ペットフードキャラット(carat)まぐろ・かつお・あじ ゼリー仕立て です。とことん贅沢です。オリゴ糖とビタミンEが配合されており、整腸作用と抗酸化作用が期待できるそうです。
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 本当は、もっと素晴らしくエキサイティングな動画をお見せできる予定でしたが、ギャラが安いのか、チープな演技しか見せて頂けませんでした。私は安くないわよ!ってか。常に面白い画を狙っていきますので、次回に期待していてください。

→Pia-no-jaC← [音楽]

 こんにちは usk です。先日投稿した エイリアン の記事で登場したトラボルタですが、あれ以降毎日我が家にやってくるようになりました。昨夜など、ご宿泊されていく始末…。うちはペッ禁なのに。まぁいいけど。爪とぎトイレ買ってきましたよ。寝床もこさえましたよ。お隣さんにバレたら、口封じしなくちゃいけません。今どうやって口封じするか作戦を練っているところです。とりあえずトラボルタなどという不自然な名前は怪しまれる可能性があるので改名しました。新しい名前は 中嶋 です。よろしくお願いいたします。

 さて、今回は →Pia-no-jaC← というなんともかっこいい2人組のバンド…バンドでいいのでしょうか、迷うところですが、とにかく2人組を紹介します。ちなみに、ピアノジャックと読みます。まずは聞いてみてください。私は、最初の5秒でハマりました。

 これはさすがに音楽好きを自負する私も知りませんでした。近頃の、音楽だかノイズだか分からないようなものは全く知ろうともせず、むしろ知らないことが美徳とすら思っていますが、→Pia-no-jaC← は 今まで知らなかったことを悔みました。
 彼らは2005年4月に結成されたそうです。HAYATOさん(Piano)、HIROさん(Cajon)の二人で構成されるインストゥルメンタルユニットです。歌なしですね。名前の由来は左から読むとピアノ右から読むとカホンとなるということらしいです。
 ん?カホンってなにって?カホンは楽器自体に跨って演奏される箱型の楽器です。跨るタイプはペルー式と呼ばれるそうで、コンガのように股に挟んで演奏されるものはキューバ式だそうです。通常ペルー式カホンを指す場合が多いようですね。で、外観はこれです。
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 What? 鳥の巣箱?メジロが住んでくれそうですね。ちょっとそこの御仁、そりゃないでしょう。あっ、私のことですね、すみません。まぁ50mも離れれば見紛いますね…。これ、立派な楽器なのです。叩く場所によって、いろんな音がするんですね。

 ついでなので、ピアノはご存じですよね。ピアノは弦をハンマーで叩くことで発音する鍵盤楽器の一種です。しかし、内部機構の面からは打楽器と弦楽器の特徴も併せ持った打弦楽器に分類されるという考え方もあります。面白いですね。鍵を指で押すと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩き、音が出ます。音域が非常に広いことが特徴です。見た目がよく似ている楽器で、チェンバロ(独: Cembalo, 伊: Clavicembalo)がありますが、こちらは鍵盤を用いて弦を弾いて発音させる楽器で、撥弦楽器(はつげんがっき)です。チェンバロはバロック音楽において幅広く用いられており、ピアノの発展とともに人気が衰退しました。現代音楽においては独特の音色のためにしばしば用いられています。
 私、チェンバロの音は大好きです。以前、イ・ムジチ合奏団(I Musici)というイタリアの室内楽団のコンサートを聴きに行きました。はっきり言わせていただいて、最高の合奏団です。イ・ムジチは1952年にローマの音楽院の卒業生12名が集まって結成された合奏団ですが、形体が特徴的です。指揮者がいないのです。楽員全員の合議で音楽を作り上げる形式をとります。編成はヴァイオリン6挺、ヴィオラ2挺、チェロ2挺、コントラバス1挺、チェンバロ1台となっています。イタリアや世界のバロック音楽界における最も名高い楽団のひとつであり、日本での人気も高いんですね。彼らの演奏するアントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi)の『四季』はバロック音楽ブームの火付け役だと言っても過言ではありません。下はイ・ムジチ合奏団の写真です。中央奥にあるのがチェンバロです。さらに、チェンバロの音が聞けるイ・ムジチ合奏団の音源も載せておきます。興味のあるかたはどうぞ。背後の方でチンチロチンチロと聞こえてくるのがチェンバロです。
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 ああぅ、また話がそれてしまいました。申し訳ありません。もとに戻します。
→Pia-no-jaC← は鍵盤と打楽器だけという非常にシンプルな構成ながらも、独学で培ったというテクニックを駆使した演奏、どことなく アジアン なメロディーで楽しませてくれます。さらに、突進してくる衝撃波のようなスピード感。なぜか遠くに行きたくなってしまいます。みなさんぜひCD買ってみてください。私は一気にすべてのCDを買ってしまいました。買って損はさせません。
 ただ、ピアノというレンジの広い楽器と、カホンという低音の楽器の組み合わせですので、スピーカーで聞く場合には根性のないものだと完全に再生できないかもしれません。WOOD CONE のコラムで紹介したスピーカーでは、ちょこ~っとだけ不満でした。それでも楽しめましたけど。まぁそんな細かいことは気にせず、大音量で楽しんでください。聞きたくなりましたか?CD買いたくなりましたか?
今聴かずに、いつ聴きます?

Stratocaster [音楽]

 こんにちは usk です。冬になると空気が澄んで遠くまで見渡せるようになりますね。わが千葉県は東京湾沿いに京葉工業地域がどどーんとありますが、まだまだ田舎ですので、星空などきれいです。いつか星空の写真を撮ってお見せしたいと思います。ちなみに京葉工業地域は 京浜工業地帯 とは異なります。字の通りこちらは東京から横浜までの東京湾西岸、京浜運河に広がる埋め立て工業地帯を指します。小学校の社会で習いましたね。
 空気が澄んでいると私の通勤ルートから富士山が見えます。それはもうくっきりと。2008年の9月に登頂しましたが、結構きついですね、素人には。そして極めて汚い。外国人には見せられないと思いました。世界遺産に登録されないのは無理もありません。

 さて、前フリはこのくらいにしておいて、今回はエリック・クラプトンの稿でも登場した、米フェンダー(Fender)社の誇る名ギター、ストラトキャスター(Stratocaster)についてのお話です。デビューと同時に完成されていた、ギター・オブ・ギターです。皆さんも一度は目にしたことがあるはずです。世界中のメーカーがこぞって模倣したお手本ギターでもあります。私欲しいです。どなたかギブ・ミー・プリーズ。これがストラトキャスターです。
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 かっこいいですね。文句なしです。ストラトキャスターの概要・特徴について簡単にご説明いたします。フェンダー(Fender)社の社長レオ・フェンダー(Clarence Leonidas Fender, 1909年8月10日 - 1991年3月21日)や技師フレディ・タバレスによって開発され、1954年に発表・発売されたエレクトリックギターです。ギブソン(Gibson)社のレス・ポール(Les Paul)等と並び、エレクトリックギターの代表的な存在です。ストラトキャスターを使うミュージシャンはたくさんいますが、著名なところですと、エリック・クラプトン(Eric Clapton)、リッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore,Deep Purple)、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix,The Jimi Hendrix Experience)、エリック・ジョンソン(Eric Johnson)、ジェフ・ベック(Jeff Beck)、イングヴェイ・マルムスティーン(Lars Johan Yngve Malmsten) …あうぅ、書ききれません。悪いクセでとめどなく書くところでした。このへんにしておきます。
 この中でレオ・フェンダーを怒らせた人がいます。誰でしょう。各人の演奏法をご覧になったことのある方でしたら、おわかりになるかもしれません。正解は、ジミ・ヘンドリックスです。レオ・フェンダーがジミヘンの曲を聴いたとき、「トレモロはああやって使うものではない!」と激怒したそうです。血のにじむような努力で開発した革命的トレモロ・ユニットが意図しない使われ方をしたのです。無理もありません。確かに曲によっては、お下品で Cool なアーミングを聴くことができます。ワイト島(The Isle of Wight)でのライヴ映像などをみると、それはもうウィンウィン、ビヨヨォーンです。

 トレモロとはギターの音色をビブラートさせる装置で、ストラトキャスターの革新的なシンクロナイズド・トレモロ・ユニットと名づけられたブリッジ(弦の付け根)部分のパーツです。ブリッジに取り付けられているトレモロ・アームと呼ばれる棒を、ボディに向かって押す、もしくは引く操作をすることでビブラート効果が得られるものです。ブリッジにはスプリングがついており、弦の張力と拮抗してブリッジの位置を維持していますが、トレモロアームの操作でそのバランスが変わり、弦が張られたり、緩められたりしてウヨヨヨォーンと音が震えるわけです。シンクロナイズド・トレモロの場合、トレモロアームはねじ込み式になっており、簡単に取り外すことができます。使わない人は最初から外しています。ジェフ・ベックは、アームは外しているときでも、手のひらで細かくブリッジを叩いてビブラートさせるちょっと変わった奏法を使います。
 同じようなビブラート・ユニットはすでにビグスビー(Bigsby)社などによって開発されていましたが、ストラトキャスターに搭載されたシンクロナイズド・トレモロは、構造の単純さ、音程の可変幅の大きさ、チューニングの狂いの少なさなどで群を抜いていました。初期モデルはブリッジに手が当たらないよう、金属製のブリッジカバーを装備していたましたが、現行モデルでは省略されています。

 音については、これまた特徴的です。三つあるシングル・コイル・ピックアップ(single coil pickup)(*1)は同じ部品を使っていても、取り付け位置の違いにより取り出される音質は大きく異なります。ブリッジ(リア)側は高域が強調され、ネック(フロント)側は逆に高域の成分が少ない「甘い音」になります。ピックアップ・セレクター・スイッチをリア・ミドルあるいはミドル・フロントの中間で止めて音をミックスさせる、いわゆるハーフトーンも使用できるため、サウンドのバリエーションが広いのです。リッチー・ブラックモアなどは、演奏中に頻繁にピックアップを切り替えます。バッキング(*2)はリア、ソロはフロント、といった感じです。下の写真がシングル・コイル・ピックアップです。
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 ギブソン社のレス・ポールモデルに搭載されているダブル・コイルハムバッカーピックアップ(humbucker pickup)と比べるとシングルコイルピックアップは出力が弱く帯域の広いサウンドが特色ですが、大音量のアンプや、歪みエフェクターとの組み合わせにより、ディストーションサウンドを得ることもできます。ディストーションサウンドが不可欠なハードロックに用いるギタリストも数多く存在します。ちなみに、最初にギターの音をわざと歪ませたのは、エリック・クラプトンです。下の写真はレス・ポールです。こちらもかっこいいですねぇ。私も1本所有しております。その下はハムバッキング・ピックアップです。レス・ポールの画像では金属プレートで覆われていますが、それを外すと写真のものが入っています。
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 ストラトキャスターの中でも古い個体は ヴィンテージ と呼ばれ、中古市場において高価格で取引されています。ヴィンテージ市場は1980年代末から一貫して高騰基調にあるそうで、現在ではフェンダー社がCBS社に買収される以前、1954年から1965年前期までのモデル(Pre-CBSと呼ばれる)が状態によっては数百万円、又はそれ以上の価格で取引されることもあります。またフェンダー・ジャパンの最初期モデルは ジャパン・ヴィンテージ と呼ばれ、日本独自の中古市場が形成されています。あくまでジャパンです。私の中ではフェンダーではありません。例えるなら、レース用車両のブレーキキャリパーで有名な ブレンボ(brembo) のキャリパー、これを国内メーカーがライセンス生産しています。たとえばヤマハのモーターサイクル用などです。これはブレンボでなく、ヤマンボ(yamambo) と呼ばれています。

 蛇足はこれくらいにしまして、ストラトキャスターデビュー年である1954年製のシリアルナンバー#0001のストラトキャスターは、ピンク・フロイド(Pink Floyd) のデヴィッド・ギルモア(David Gilmour) が 1970年代から現在まで所有しています。2004年にイギリスで行われたストラトキャスターの50周年記念のライヴの際も使用されました。但し、このギターはあくまでもネック・ジョイントプレートにシリアルナンバーが記載されている物としての1号機であり、これ以前に、ボディ裏面にあるスプリングカバー(バックプレート)にシリアルナンバーが記載されている物を含め250台程度存在するので、正真正銘の第1号機ではありません。なお、このネックシリアル1号機は、ブロンドカラー、ゴールドパーツの特注品です。趣味が悪いですねぇ。因みに、正真正銘の第1号(バックプレートシリアル0001)機については、一時北米のコレクターが所有していると言う噂が飛び交ったがデマと判明し、現在に至るまで発見されていません。

 ウンチクはもううんざりですね。私もウンザリです。要は、カッコいいエレキということです。エレキですよ、エレキ。冒頭ではエレクトリックギターと書きましたが、そう書くとシラけます。エレキが最高にごきげんな感じです。どうです?楽器というと敷居が高いようにお感じかもしれませんが、心のどこかでやってみたいと思っておられるのではないでしょうか。楽器をやるようになると、音楽を楽器パートごとに分解して聞くようになります。私もそうでした。様々な視点(聴点?)で捉えることができるようになります。これは間違いなく利点です。ぜひ挑戦してみてください。おっと、忘れるところでした。ストラトキャスターの美しい音をお聞かせしたいと思っていたんです。これはエリック・ジョンソンの名曲 遥かなるドーヴァー(Cliffs of Dover) です。エリック・ジョンソンは音に対して尋常ではないこだわりをもつギタリストです。綺麗な曲を聴かせてくれますが、アルバムリリースのスパンが長いため、なかなか新曲を聴くことができません。


 ギターの場合、ふつうはコードから覚えます。C や A といった簡単なコードから始まって、そのうち F と出くわします。これが最初の難関です。私の周りの方で「ギター教えて!」とおっしゃる方がいまして、全力で教えて差し上げていたのですが、結局Fが押さえられるようにならず、やめてしまう方がいました。これを私は Fシンドローム(syndrome) と呼んでいます。
 闘志がわいてきましたか?それとも、うんすんですか?興味を持ったならやってみましょう。人生は有限です。明日死ぬつもりで頑張り、永久に勉強するつもりで生きないと損です。偉そうにすみません、恐縮です。これは誰かの言葉なんです。誰でしたか…ガンジーだったか、ダライ・ラマだったか…どなたかわかる方教えてください。
いま弾かずに、いつ弾きますか。


(*1) シングル・コイル・ピックアップ:ギターの弦の振動を拾う装置。コイルが1つなのでこう呼ばれる。ピックアップが作る磁界の中を磁性体(弦)が動くと、その動きに合わせてコイルの巻き線に電圧が発生し、電流が流れる(フレミングの左手の法則)。
(*2) バッキング:曲の伴奏のこと。ギターやピアノなど、和音が出せる楽器がバッキングに使われる。金管楽器、木管楽器はもっぱらソロパートを任される。

エイリアン [番外]

 こんにちは usk です。寒いですね。大変寒いです。私の住む千葉県は比較的温暖な方ですが、冬本番を感じさせる陽気になってきました。さて、今回は番外編と称しまして、昨夜私の住まいにやてきたエイリアンを紹介します。こちらの方です。
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    Haan? Did anyone call me?

 この生物のスペックを以下に記します。
Exterior Characteristic
  Length : 45cm
  Height : 35cm
  Body color : Brown and White (Striped pattern)
  Eye color : Yellow
  Sex : Female

 見たところ、元来ネズミを捕獲させる目的で飼われ始めたヤマネコ(Wild cat,学名 Felis silvestris)の家畜化されたものと言われているある動物の身体的特徴に酷似していることから、おそらく猫ちゃん(Cat,学名 Felis silvestris catus)と推測します。世界中で広く飼われているネコ目の動物でしょう。

 私の鑑定により 女性 であることが判明しましたので、これからこの生物を三人称で 彼女 と呼びます。まず私は彼女に名前をつけました。悩む間もなくピーンときた名前があります。ジョン・トラボルタ(John Joseph Travolta) です。トラボルタの昨日の行動をご紹介しましょう。
 
 昨夜、本コラムの前項を執筆中に、外から妙な鳴き声が聞こえてきました。すぐに動物の鳴き声であることがわかりましたので窓を開けてみると、うぅぅさっぶー!…ではなくて、トラボルタ がこちらを向いていました。呼ぶとこちらに来るのでかまってやると、ごろにゃんごろにゃんと 餌くれダンス をします。ご飯だけならと思い、家にあげてやりました。私の住まいはペット禁止です。しかし、この秋には内緒でコオロギを飼育していた大悪党である私はペッ禁など気にしません。鰹節ごはんと魚肉ソーセージ、さらには柿の種と水を与えてやりました。その食欲たるや、すさまじいです。人間だったら「こんな下品な食い方するやつとは一緒に食事できん!」と思うほどの荒くれ様です。その様子がこちらです。あぁあぁ、飛び散ってるよ、誰が片付けると思ってんのかね。
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 よっぽどお腹が減っていたのでしょう。私もつられて大好物の魚肉ソーセージを食べてしまいました。猫ちゃんは本当に面白いですね。観察しながらバシャバシャ写真を撮っている私に気づいて「撮影は勘弁してくんな!」と言わんばかりにこちらに向かってきたり。ピントがご飯に残ってますね。オートフォーカス嫌いな私は、フレーミング(左手の法則ではないですよ…)に夢中で合焦していないのにレリーズしてました。奥に見える緑の物体は Crumpler のカメラバッグです。
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    Holly shit! Don't take a picture of me!

 そうかと思えば、突然物思いにふけったりします。
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 他にもたくさん面白い行動がありましたが、残念ながら写真はありません。このあとトラボルタは私のソファーの上にズケズケと上がり、睡眠に入りました。この隙に!と思い入浴を済ませて部屋に戻ると、トラボルタはまだ寝ていました。このやろう…。ほどなく目を覚まし私を見上げるトラボルタ。「おぉ、風呂出たか」とでも言っている様子です。そしてムクッと立ち上がりおもむろに窓へ向かうトラボルタ。私が窓を開けると、素直に出て行きました。最後、餌をくれた人間の顔を見て一言お礼を言うために待っていたのでしょうか。何とも楽しいひと時でした。

 ご飯だけならいつでもいいから、また来いよ。トラボルタ。…あっ、ウィークデーの日中はお仕事だからダメね。

Eric Clapton [音楽]

 みなさんこんにちは usk です。今回は エリック・クラプトン(Eric Patrick Clapton) について書かせて頂きます。前回の The Beatles と同様知らない人はいませんね。泣く子も黙る、キング・オブ・ギターです。現在の彼の活動については、様々なメディアを通してご存じだと思いますので、少し昔の彼の半生をご紹介しましょう。
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 エリック・クラプトンは1945年3月30日にイングランドのサリー(Surrey,England)に生まれました。ジェフ・ベック(Geoffery Arnold "Jeff" Beck)、ジミー・ペイジ(James Patrick Page)と共に、3大ギタリストと呼ばれています。彼のギタープレイのすごいところは、滑らかな運指と表情豊かな音色につきると思います。どんな速いパッセージを弾いているときでも、とても速弾きをしているようには見えないという、不思議なスタイリッシュさに満ち溢れています。彼には Slow Hand というニックネームがあるのをご存じですか?ファンならば一度は聞いたことがあるでしょう。スローハンドの由来は諸説ありますが、弦を切ったクラプトンが再登場するまでゆっくりと拍手をしながら待っていた観客の手の動きから付いたニックネームであるようです。1弦なんかよく切れますからね。ステージには毎回新品の弦で挑むのでしょうが、彼のようにガンガンチョーキングすると、プッツン行きますよね。弦は金属ですから疲労しますし。

 クラプトンの功績は、奴隷貿易によって連れてこられた黒人たちが起源の大衆音楽であるブルースを、白人の感覚で解釈し直したことにあると言われています。これをホワイトブルースと言ったりしますね。ブルースの精神をロックと融合させることによって、より広い世界で鑑賞できる音楽に発展させました。また、ギターを単なるヴォーカルの伴奏から脱皮させた功績も大きいでしょう。

 彼のバンド遍歴を掻い摘んで追ってみましょう。代表的なところだけにしますね。一般的に知られている初期のバンドはロンドンでも注目を集めていた ヤードバーズ (The Yardbirds)でしょう。1963年に加入します。個人的な意見ですが、ヤードバーズはバンドは上手ですが、ヴォーカルが…という印象です。クラプトンが埋もれてしまいそうでした。そんな中、クラプトンはポップ路線を志向するバンドと対立し、1965年にバンドを去ることになります。よくあることですよね。「音楽性の違い」ってやつです。
 ヤードバーズ は、クラプトンの関係するバンドということ以外にも、知っておくべきことがあります。前述のジェフ・ベック、ジミー・ペイジが相次いで ヤードバーズ に参加したのです!3大ギタリストを排出したバンドなのです!
 
 ヤードバーズ脱退後、 ジョン・メイオール・ブルースブレイカーズ(John Mayall & The Bluesbreakers) に参加。ここでクラプトンは、ヤードバーズ 以上にストレートなブルースの世界を追求しています。ここのバンドでの彼の楽曲は、彼の原点みたいなものだと思います。この頃、ロンドンの街中に “CLAPTON IS GOD” の落書きが現れ、ギターの神と呼ばれるようになりました。その後、ジャック・ブルースやジンジャー・ベイカーらと クリーム (Cream)を結成します。メンバーの即興演奏をフィーチャーした曲調で、たいへんエキサイティングなバンドです。また、クリーム時代には、皆さんもご存じの名曲がたくさんできましたね。 CrossroadsWhite room などはこのバンドでの曲です。しかし、またまたメンバーとの不仲で解散してしまいました。クリームの写真です。右下がクラプトンです。男前ですね。White room 載せておきます。Jim DunlopWAHWAH(音をワウワウ言わせるエフェクター) が出てきます。お手本ですね。
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  クラプトンは新天地を求めてアメリカに渡り、 デレク・アンド・ザ・ドミノス(Derek & the Dominos) というバンドを組みます。デレクでの代表作といえば、そう、クラプトンの代表作でもある いとしのレイラ(Layla) です。私が いとしのレイラ を初めて聴いたのは、確か中学2年生のときでした。ラジオから、あの印象的で突き刺さるような リフ(*1) が突然飛び出してきました。デザートイーグル(*2)の50口径で撃たれたような衝撃を受けたのを覚えています。実際には撃たれてませんよ…。この曲はクラプトンが、大親友であったビートルズのジョージ・ハリスンの当時の妻パティ・ボイド (Pattie Boyd) に恋をしてしまい、そのときの感情から生まれた曲です。歌詞の内容も当時のクラプトンの悩み苦しんでいる気持ちが前面に押し出されています。ちゃんとメロディーだけでなく、歌詞も聴いてくださいね。ビートルズもそうですが、イギリス英語は聴きとりやすいですよ。ちなみにタイトルのレイラとは、ペルシャに古くから伝わる詩「ライラとマジュヌーン」で主人公にめちゃくちゃ惚れられる美女ライラのことです。これ以降ですね、彼が本格的なソロ活動をスタートしたのは。いとしのレイラ 、音源載せときます。


 クラプトンは薬物依存だったことはご存じでしょうか。まぁ、この時代の大御所は皆そういう経験を積んでいますから、驚くことはありません。ローリング・ストーンズのキース・リチャーズ然り、MSGのマイケル・シェンカー然り(2010.1.12の中野サンプラザ、見に行きま~す!)、ビートルズだってそうです。(肯定しているわけではありませんので、あしからず)
上がキース、下がマイケルです。キースはフェンダー テレキャスターのオープンチューニング(*3)を多用し、また6弦は使わないからと言って、張っていないんですね。マイケルにいたっては、ギブソン フライングVをオマタに挟むのが…危ない!また話題をそれて語ることろでした。悪いクセです。
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 1970年代には薬物依存症、1980年代にはアルコール依存症、交通事故、愛妻パティ・ボイド(もらっちゃったんですね、ジョージから)との別離を経験しています。1990年代初めには、イタリア人女優ローリ・デル・サント(Lory Del Santo)との間にもうけた初めての子供コナーがニューヨークの高層マンションの窓から転落死してしまいました。名曲 ティアーズ・イン・ヘヴン(Tears In Heaven) はコナー君に贈られた曲です。数々の災難に遭い人生紆余曲折、そのたびに立ち直り、そうした経験を糧にますます演奏に磨きをかけて、世界の第一線のミュージシャンとして活躍を続けています。
 1991年になると、自らのバンドを従え、ジョージ・ハリスンのバックバンドに徹してツアーに参加しています。この友情、前述の内容から想像できますか?私は涙を流さずにはいられません。親友ジョージの世界ツアーの呼びかけに対して、亡くなった自分の息子の為の楽曲の録音をキャンセル。これはすごい。これぞ親友というのでしょう。皆さんには本当の親友がいいますか?私は…ノーコメント。…ジョージは、これが人生最後のツアーとなりました…。

 まだまだ書き足りないですが、読んで下さっている方が居眠りしてしまうといけないので、クラプトンの半生はこれくらいにしておきます。

 さて、次は彼のギターについてです。2004年6月24日、NYで行なわれたオークションで、エリック・クラプトンのギターが記録的な価格で落札されました。これは、クラプトンが 70年代に使用していた伝説のギター、ブラッキー(Stratocaster,Fender)。当初、15万ドル(およそ1,600万円)程度で落札されるだろうと見込まれていたが、激しい競りの結果、最終的に95万9,500ドル(およそ1億520万円)の価格がつけられました。ギター1本が、ですよ。おったまげますね。ちょっとあなた、あいた口が塞がっていませんよ。あっ、私もです。
(´д`)

 ブラッキー の誕生秘話は面白いですよ。クラプトンはある楽器店に入り、6本のヴィンテージ・ストラトキャスターを格安で購入したそうです。6本のうち3本をジョージ・ハリスン(George Harrison,The Beatles)、ピート・タウンゼント(Peter Dennis Blandford "Pete" Townshend,The WHO)、スティーヴ・ウィンウッド(Stephen Laurence "Steve" Winwood,Spencer Davis Group)に譲り、残された3本を分解して最良のパーツを選び出してこの ブラッキー を組み上げました。この名前の由来は単純です。黒だったからです。同年代のストラトキャスターで黒はオプションのカラーだったそうで、非常にレアなものだということです。バラしたギターが1956年~1957年のものだったので、ブラッキーには明確な生産年がありません。

 それ以前のギター最高価格は、1999年に落札されたクラプトンのブラウニー('56年製フェンダー・ストラトキャスター)で、49万7,500ドル(およそ6,000万円)でした。今回はその倍近くの値がつけられたことになりますね。

 クラプトンが ブラッキー を初めて公衆の前で使用したのは、'73年、友人のピート・タウンゼントが彼のヘロイン中毒克服を支援し開いたコンサートでした。その後、'91年までおよそ18年間愛用されています。最後に使われたのは、日本で放映されたホンダのテレビ・コマーシャルみたいですよ。クラプトンはホンダのリクエストを受け、ブラッキーを使用し Bad Love をレコーディングしました。ホンダさん、にくいことするじゃないですか。そんな粋な企業がなんでF-1撤退したのさ!下の写真はピート・タウンゼントです。ピートはギブソン SGがトレードマークですが、この写真ではギブソン レス・ポールをしょってますね。
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 クラプトンは、愛用のギターが記録的な価格で落札されたことにこうコメントしています。「うれしいね。このギターは自分の一部だった。センターの大きな助けとなるよ」と。センターとは、クラプトンが西インド連邦に設立した薬物矯正施設 クロスロード・センター(Crossroads Center) のことを指しています。オークションではブラッキーのほかに、'64年製のギブソンES-335、'39年のCFマーティン&Co.のアコースティック・ギターなども出品され、それぞれ予想を上回る高価格で落札されています。

 さ、お次は2009年2月の武道館公演のお話です。私が見に行った日はWOWOWのカメラが入った日でした。ほどなくWOWOWで放送されてました。自分が映ってるかな?と一生懸命探すという小市民な行動を取ってしまったことはこの場だけの秘密です。
 入手したチケットはなんとアリーナ!しかも半分より前!すばらしい!チケットが手元に届いたとき、全身に鳥肌が立ち、わなわなしてしまいました。席に着くと、周りはほとんど年配の方ばかりです。そういう世代なんですね。同年代の方もちらほらいましたけど。
 さぁ、わけのわからないBGMが止み会場が暗くなり、クラプトンの登場です。本物です。感動です。生きてるうちにクラプトンを生で見ることができるなんで、生きててよかったーとばかりに立ち上がりました。ん?周りを見渡すとみんなお行儀よく着席しているではありませんか!Oooops!校長先生の話じゃないですよ!このとき気付きました。これはジェネレーション・ギャップというやつでは?と。挙句の果てには、近くの席の年配の男性がお連れさんに「埼玉公演では、居眠りこいちゃったよ、ハハハ」なんておっしゃってました。God damn you!(`・ω・´)!! 世代によって、ライヴの楽しみ方も違うんですね。私は恥ずかしくなり、おとなしく着席しました。バンドのメンバーについては調査不足で臨んだのですが、あのドラマーどこかで見たことがあります。巨漢の黒人のお方。そうだ、ポール・マッカートニーのバンドでドラムを叩いていた人です。いやぁ、フロントマンが一流なら、バンドも一流ですね。以降記憶がありません…。申し訳ありません。

 どうですか?エリック・クラプトン、興味わいたでしょう。皆さん名前は知っているし、有名なことも知っているけど、なんだか食わず嫌いといった感じなのではないですか?私の周りにもそういう方多いんです。試しに聞いてみてください。今までよりもちょっとだけ人生が豊かになりますよ。まずは Layla と White room、Tears in heaven の3曲を聞いてみてください。虜になるはずです。さぁCD屋さんに Let's gooooo! yeahhhh! そういえば、最近CD屋さん減りましたね。みんなレンタルやダウンロードで済ませるみたいです。私は モノ が手元にないといやな性格なので、ダウンロードってのはちょっと。この気持ちわかってもらえます?
こんな素敵な音楽、今聴かずに、いつ聴きますか。

(*1) リフ:その曲を印象付けるフレーズ。おもに前奏部分に現れる。
(*2) デザートイーグル:一般販売される拳銃としては最大の威力を持つ自動拳銃。
(*3) オープンチューニング:ギターの通常のチューニングは6弦から E,A,D,G,B,E であり、複雑な押さえ方でコードを奏でる。それに対して、同一フレットをセーハ(一本指で押さえる)してコードを鳴らせるチューニングを言う。

The Beatles [音楽]

 みなさんこんにちは、usk です。先の3コラム、読んで頂けましたでしょうか?題材の物事をこれから始めたい!とか興味あるので知りたい!という方を対象として、足を踏み入れる際の手助けとなるように書いているつもりですが、参考になっていますでしょうか。もしお気づきの点があればご指導お願いいたします m(_ _)m 。

 さて、今回は The Beatles について書こうと思います。これは私の人生から絶対に外せません!Beatles はみなさんご存じだと思いますし説明するまでもないですが、念のため概要を。
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 Beatles は、イギリス・リヴァプール出身のロックバンドです。ロック というと「んん?そうかぁ?」と思われるかもしれませんが、どうやらこれは全世界の共通認識のようです。ですからロック と書きました。ちなみに私、ロック好きです。それはさておき、彼らが全世界で最も広く知られ、最も成功したロックバンドであることに異論を唱える人はいないでしょう。事実ですから。1962年10月にレコードデビューし、1970年4月に惜しまれつつ解散しています。1960年代を代表する世界的アイドルとして成功を収める一方で、彼らの作り出した音楽は60年代以降のロック・ポップスシーンに多大な影響を与えることとなりました。リズム・アンド・ブルースやロックンロールが好きな方は聞いてお分かりになると思いますが、これらををルーツとしており、革新性と普遍性を併せ持った彼らの作品は、現代音楽の金字塔として揺ぎない地位を保っています。
 彼らは、イギリスの勲章のひとつ、大英帝国勲章(Order of the British Empire)を授与されました。1965年のことだと何かで読みましたが、あってますか?間違っていたらご指摘ください。この勲章はイギリスの勲章の中で最も広く知られており、他にはビル・ゲイツ(William Henry Gates III,Microsoft)、ジミー・ペイジ(James Patrick Page,LED ZEPPELIN,Guitar) 、エルトン・ジョン(Elton Hercules John)、コリン・マクレー(Colin Steele McRae,WRC,~2007.9.5)、他が授与されています。

 ちょっと寄り道していいですか?コリン・マクレーは私の大好きなラリードライバーです。彼は自宅周辺で自身が操縦していた自家用ヘリが墜落し、39歳の若さで亡くなりました。WRCにおけるスバルの初優勝をもたらした偉大な人物です。webのニュースでそのことを知り、私は膝から崩れ落ちました。あの豪快な走りがもう見られないのかと…。

 さて、つまらない情報はこれくらいにしましょうか。みなさんは彼らの演奏しいている映像を見たことはありますか?私はエド・サリバン・ショー(The Ed Sullivan Show,CBS) での演奏映像をいくつか見たことがありますが、観客(若いおねぇさんたち)の文字通り黄色い声援が飛び交ってましたね。声が見えるような感じがしました。ものすごい声援で大気中の水分子が振動し、あたかも電子レンジのように温度がぐんぐん上がっているように感じました。あの観客たちは Beatles の音楽を聴きに来たのではなく、アイドルとしての Beatles を見に来たんですね。そんな中での演奏、彼らの心境はいかばかりか…。「みんな、僕らの演奏を聴いてくれていない!」と思っていたに違いありません。それでも楽しそうに演奏している彼ら、プロフェッショナルですね。こういう目線で見てみると、より理解が深まります。下の写真が エド・サリバン(Edward Vincent Sullivan,~1974年10月13日) です。TVの名司会として知られています。Beatles と対で覚えておいてください。切っても切り離せない人です。
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 そうそう、映像といえば武道館公演!映像の話の前に、武道館招致が大変だったそうですよ、というお話をします。武道館では1966年6月30日から7月2日にかけて5公演行われましたが、日本武道館に招致する交渉は大変難航したそうです。世界的な人気者ですから、警備面でも相当な神経を使わなければなりません。警視庁は頭を抱えて悩んだようです。このあたりのいきさつはweb上にいくらでもありますのでそちらを参考にして頂くとして、割愛させて頂きます。あまり知られていない(と思われる)のは、当時の読売新聞社主で日本武道館館長でもあった正力松太郎氏が、「ペートルなんとかというのは一体何者だ? そんな連中に武道館を使わせてたまるか」と発言し、土壇場で会場変更(後楽園球場)の立案がされたそうです。ポスターやら何やらの手配が完了した後に…。これは名(迷)言です。私はこれを知ったとき、その場でのたうち回って笑い転げました。笑い上戸の人だったら息の根止まりますよ、本当に。「ペートルなんとか」って、あーた、勘弁してくださいよ!と今の時代を生きる私を含めた Beatles ファンは言うでしょう。しかし時代が違いましたよ、時代が。当時は「なつかしの歌謡曲」全盛の時代。そんなときに She loves you yeah! yeah! yeah! などと聞こえてきたらどうなりますか。私ならチビりますね。当時の年配者のみなさんは「あんなもん、不良が聞くもんだ!」と口々に言っていたそうです。不良にならないようにと Beatles を聞くことを禁止する学校もあったそうですよ。これは無理もないと思うべきでしょう。それだけの衝撃たっだということです。私の父も若いころそういう環境で Beatles を聴きこんでいたそうです。
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 そんな中実現した武道館公演、素晴らしいじゃないですか。前座として尾藤イサオ、内田裕也、 ジャッキー吉川とブルーコメッツ、ザ・ドリフターズなどが舞台に上がりましたが、ドリフターズが登場したとき、会場を埋めたおねぇさんたちが、彼らを Beatles の4人と間違えて、その前座演奏の終了まで金切り声を上げ続けたそうです。ぷぷぷ、見ようよ!ちゃんと見よう。中には気づいていたけど、周りがそんな様子だから引くに引けなかった人もいたのでしょうかね。
次の写真がその様子です。
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    Oh! ! ! Jesus!

 お待たせしております、武道館公演の映像のお話です。私が見た媒体は確かレーザーディスクでしたかね。うろ覚えで申し訳ありません。その映像を見て驚いたのは、なんと演者用のモニタースピーカーが設置してなかったんですね。モニタースピーカーとは、演奏している本人が自分の出している音をモニタリングするためのスピーカーで、演者の方を向いて設置されています。イヤフォンでモニタリングしてるのかな?とも思いましたが、そんな様子もありません。音響設備が今とは比べ物にならないくらいに貧弱だったんですね。そこにきてあの金切り声です。心中お察しいたします。それと、マイク!これは武道館公演の映像を見た方ならば全員が気付いたであろうことですが、なんと演奏中にマイクがどんどんそっぽを向いてしまうんですね。ポールは演奏中の区切りのいいところで、ササッとマイクの向きを直して演奏していました。
はい、これは武道館公演のセットリストです。

  1.Rock And Roll Music
  2.She's A Woman
  3.If I Needed Someone
  4.Day Tripper
  5.Baby's In Black
  6.I Feel Fine
  7.Yesterday
  8.I Wanna Be Your Man
  9.Nowhere Man
 10.Paperback Write
 11.I'm Down

 1曲目に Rock And Roll Music を持ってきましたね。いいですね。一気に観客を引きずりこむ作戦です。Just let me hear some of that rock and roll music. Any old way you choose it. ♪♪♪ Yeahhhh! 私も例にもれず、引きずり込まれました。レーザーディスクに。

 みなさん、Beatles の曲で一番好きなものはどれですか?私は While My Guitar Gently Weeps です。2番は決められません。みんな良い曲ですから。1番を決めるのだって、断腸の思いだったんですよ。この曲は ジョージ・ハリスン(George Harrison) の代表作の一つです。彼は2001年11月29日に肺癌と脳腫瘍のためこの世を去りました。大ファンだった私は人知れず枕を濡らしました。ぽっかり穴が開くとはこういうことか…と、非常にショックが大きかった出来事です。個人的にも、人類にとっても。きっと彼は向こうでも意欲的に創作活動をしていることでしょう。ジョージの写真と一緒に While My Guitar Gently Weeps の音源を載せておきます。
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 この曲のリードギターはだれが弾いているかご存じですか?Beatles ファンならばご存じでしょう。そうです、エリック・クラプトン(Eric Patrick Clapton)です。
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 いやぁまいった。神が出てきましたね、神が。両氏は大親友だそうで、ジョージの依頼を快く引き受けたとか。今、大変気持ちが高ぶっていますので、このままエリック・クラプトンのことまで書き始めそうになりましたが、なんとか己を制止できました。エリック・クラプトンのことはまた機会を改めて書かせて頂きますね。2009年2月 の武道館公演は見に行きましたので、その様子も合わせて…。
 ちなみにこの曲は有名な2枚組アルバム The Beatles に収録されています。そんなアルバム聞いたことないって?WHITE ALBUM と言えばわかるでしょう。そうなんです、愛称の ホワイトアルバム の方が通った名前なんですね。なんでホワイトかって?ジャケットが白いからです…。
 
 突然ですが、20世紀最大の発明って何だと思います?航空機でしょうか?コンピュータでしょうか?ペニシリンでしょうか?どれも偉大な発明であることには間違いありませんが、私は1番ではないと思います。20世紀最大の発明は ロックミュージック です。批判を恐れず断言してしまいました。実際問題ペニシリンが1番でしょうけど、今の心境では…こうなります。
 さあみなさん、 Beatles 聴きたくなりましたね。私は今すぐ聴きたいです。デビュー後45年以上も愛され続けているバンドはそうそういませんよ。そしてそれだけ長い間聴かれている曲もなかなかありません。私は Beatles をリアルタイムで経験したわけではありませんが、彼らの音楽を聴ける時代に生まれて本当に幸せです。
今聴かずに、いつ聴きますか。Love me do~...

WOOD CONE [音楽]

 こんにちは usk です。今回は Victor.JVC の誇る WOOD CONE スピーカーのお話です。
WOOD CONE 皆さんご存じでしょうか。スピーカーのコーンはたいてい紙でできていますが、これは WOOD = 木 でできています。木 ですよ 木。
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 木には当然木目があり、材質の密度や硬度は一様ではありません。紙ですとほぼ均一な状態になることは想像つきますね。そうなると材質と形状からくる固有の振動数を持ち、ある周波数で共振してしまいます。木は木目により材質の状態がバラバラで、この状態が起こりにくいそうです。
 また、驚くのは加工技術。木の厚さは 0.28mm だそうです。うっすいですね。経木のようなもんですね。あれを任意の形に成形する過程で、私は絶対にひび割れしたり、波打ったりしてしまうと思うのですが、それを克服したのが Victor さんのすごいところです。あっ、忘れてはいけないことが!スピーカーのエンクロージャーですが、MDF (medium density fiberboard) 材なんか使用してませんよ。無垢の木を使用しています。無垢の木…モノ好きな方ならこれだけで惹かれてしまいますよね。
 さて、肝心の 音 ですが、私は気に入りました。直径9cm のフルレンジ1発のバスレフポート付きですが、目をつぶって聞いていると、とてもこんな小さな、しかもフルレンジのみのスピーカーから出ている音とは思えません。上を見ればきりがありませんが、思わずニンマリです。いろんなCDを聞いてみましたが、女性ヴォーカルものが得意なようですね。ダイアナ・ロス(Diana Ross)など、い~い感じです。オーケストラなどの周波数レンジの最も広い部類の音楽は苦手な様子です。チャイコフスキー(TCHAIKOVSKY)の 祝典序曲「1812年」(Ouverture solenelle "1812")の中で大砲の音が出てきますね。このあたりでも苦手感が出ていました。まぁヨシとしますが。総じて、とってもよい品だと思いますね。試してみたくなったでしょう。すでに大きなスピーカーを持っている方はいらないでしょうけど、ボーナスで買いたいなぁと思っている方、今買わずにいつ買います??

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